2021 明治安田生命 Jリーグ
J1 第20節
湘南ベルマーレ vs 柏レイソル
2021/06/27
レモンガススタジアム平塚
湘南 2 – 4 柏
■18分 町野(湘南)
■50分 ハウル(柏)
■78分 ウェリントン(湘南)
■90+3分 大南(柏)
■90+9分 クリスティアーノ(柏)
■90+12分 ハウル(柏)
スターティングメンバー
■スタメン■
GK:佐々木
DF:川口
DF:大南
DF:山下
DF:古賀
DF:三丸
MF:戸嶋
MF:ヒシャルジソン
MF:ドッジ
FW:ペドロハウル
FW:瀬川
■ベンチ■
GK:松本
DF:上島
DF:北爪
MF:三原
MF:神谷
FW:細谷
FW:クリスティアーノ
アディショナルタイムでの3ゴール逆転勝利
勝った、勝ったよ。
……とんでもない試合だった。
まずは、現地で応援してくれたサポーターの皆様、お疲れさまでした。勝ち組ですね!
にしても、やっている方はもちろん、観ている方も相当タフな試合だったと思う。
90分やって2-1を追いかける状況、そこからアディショナルタイムで3得点逆転勝利。
自分もDAZNで観戦していたにも関わらず、テレビに駆け寄りクリスと共に咆哮してしまった。そして試合後の放心状態。
この勝利は一生の宝だ。
いやー、現地で観たかったなー
とにかく……、
俺達はまだ死んでいない!!
この試合はこれが全て。
レイソル復帰組が並ぶスタメン ハマらず
試合前、この試合のスタメンを見て驚いた。そして、正直不安もあった。
今シーズンあまり試合に絡めていないメンバーで構成された5-3-2。
前節までに復帰を果たした戸嶋、瀬川、山下。
両サイドバックにはこれまで出番が少なかった三丸・川口。
ドッジも格の違うプレイを見せてくれてはいるが、まだ数試合の出場しかない。
GKの佐々木だってリーグ戦はデビューしたばかり。
満を持して復帰のペドロハウルには大きな期待がかかるものの、このメンツじゃほぼぶっつけ本番だったんじゃないだろうか。
過密日程ということも勿論あるが、なんとかしてこの状況を打開したい、そんな指揮官の意識が見て取れるスターティングメンバー。
だが、さすがにこれでは選手間の意思疎通が取れない。実際なんともチグハグな前半となってしまった。
特に攻撃でほとんど連動出来ない。どうしても後ろに重心がかかりすぎてしまう。
5バックにしたことでビルドアップが向上するかと期待したが、
4バック時と同様ヒシャルジソンがディフェンスラインに下りてパス回しに参加してしまうため、
単純に中盤の人数が足りなくなる。前と後ろが自然と離れてしまい、どうにも前に運べない。
どうにかしようと、スタメン復帰の戸嶋が動き回ってパスコースを作ったが、ボールロストが多く攻撃のブレーキとなってしまった。
足にボールが付かないところを見るとコンディションはまだまだのよう。スタメンにはまだ早いか。
注目のペドロハウルはトラップの能力に優れボールキープも巧みで違いを感じさせてはいたが、周りがついてこない。
上手くいかないレイソルに対して、前がかりにきた湘南が次々とチャンスをつくる。
特に、湘南のオリベイラの出来が良すぎた。
湘南の中盤の底で構えるオリベイラ。レイソルの攻撃はほとんどこの40番に引っ掛かっていた。
さらにボールを奪うと攻撃にも参加。中盤の広いスペースを完全に支配していた。
レイソル後半の猛攻へ 神谷/三原/北爪の同時投入
後半アタマの3枚がえ。思い切ったテコ入れ。
ドッジ、戸嶋、川口 OUT
↓
神谷、三原、北爪 IN
この采配が的中する。
三原雅俊
動きすぎずに中盤でどっしり構え起点になり、後ろと前を繋ぐ。
また、彼が入ることで選手間のコミュニケーションが一気に増えたような気がした。
この男がチームをひとつにしたと思う。
神谷優太
持ち前の推進力でボールを運んでいく。
ここまでレイソルのアタッカーは相手から逃げるような動きでスペースに動くことが多かったが、神谷はその逆だ。
ボールを持つと相手に向かっていくことで、相手を引き付けそのまま押し下げていく。これにより周りの選手が格段に動きやすくなった。
北爪健吾
誰よりも速い攻守の切り替えで攻撃に厚みをもたらす。
とにかく判断が速い。イーブンのボールに対するアプローチが速い。
フリーになる率が高く、右のパスに逃げ道を作り、前半の窮屈さが嘘のよう。
徐々にフィットしはじめるペドロハウル
後半アタマの3枚同時投入によって、ゲームの流れが大きく柏に傾く。
これまでのロングボール一辺倒だった攻撃から、的確に相手のスペースを突く地上戦に持ち込むことに成功。
そのおかげで、ハウルも他の選手との距離感が近くなり攻撃にどんどん絡むようになる。
ポストプレイはもちろん、時にはサイドに流れてボールを受けるなど状況に合わせて動く柔軟性を見せる。
得点となったPKも、コースを読まれても関係ない速いシュートで安心感があった。
ボールは取られないし、自らシュートやクロスで完結させられるし、かなり良い選手だ。
ウェリントン 衝撃のヘディング
1-1にして追いつき、レイソル攻勢の場面。
湘南、遠い位置からのフリーキック。ここから放り込んでくるのか。
フワッとしたボール。GK佐々木の一瞬の躊躇、—がすぐ後ろにステップを踏んで修正。
あれ?山下が少しズレ—-。
ヘディング!
ネットが揺れる。
え、入るの…?
ゴールから離れた位置から緩めのボールをウェリントンが高い打点からヘディング。
勢いのついたボールはファーサイドに叩きつけられそのままネットを揺らす……。
正直、これを見た時、自分は声が出なかった。
それくらいとんでもないヘディングだった。なんであんな威力出るの……。
もしヘディング賞があるならこれ以外考えられない!
ヘディングの直前、佐々木が迷わず素早く右に1歩ポジション修正出来ていたら防げたかもしれない。
だがこのシュートにそれを求めるのは酷な気がする。
せっかくの試合の流れを無視するとんでもない一撃。別に危険な位置でファールしたとは思わなかったのに……。
レイソルにとって不運すぎるスーパーゴールだった。
湘南を苦しめたVARの正しい判定
確かにこの試合はVARで判定する場面が多かった。
そのどれもがオンフィールドレビューというカタチを取り、レフェリーがその他大勢と画面を共有しその中でジャッジした。
そのジャッジに特に問題は感じられず、むしろVARがあったおかげで正確なジャッジがくだされ、納得のいく結果になったと個人的には思う。
ただ、問題があるとすれば、そのジャッジがどれも結果が覆るようなカタチに見えてしまったことだろう。
主審とVARでどのようなやり取りがあったかは分からないが、もしも、最初から正確なジャッジが行われたうえでVARの介入があったなら、
ここまで確認に時間をようすることもなく「やっぱりそうだったね」で終われたかもしれない。
湘南サイドからすれば、VARで結果が覆ったような印象になってしまったことで、負う必要のないメンタル的なダメージを負ってしまったのかもしれない。
アディショナル9分。違いを生むハウルとクリスティアーノの魂のゴール
衝撃の逆転劇。もう何が起きたのか分からなかった。
複数のVAR介入でアディショナルタイムは9分。もうこの試合ではそれが長いのか短いのかも分からない💦
2-1。
追加点取られてもうダメかと思ったらVARで救われるの繰り返し。点も取り返せないとにかく苦しい辛い90分だった。
85分に投入されたクリスティアーノと細谷。
結果としてこの2人の投入が恐ろしいほどの効果を発揮する事になる。
試合終盤、すんでで耐えていた湘南のディフェンス陣に対して、スピードとフィジカルを併せ持つふたりがとにかく縦に突っ込んでいく。
体力的にキツイ相手にはこれ以上ないプレッシャー。相手は対応出来ていない。いける!いける!
そして、決めきれない時のレイソルにはなかった最後のピースがこの時間帯恐ろしいほどの存在感を示す。
ペドロハウル。
彼の高さ、落下地点の入り方は絶妙。ハイボールに競り勝つだけでなく、的確に相手の背後のスペースに落として味方を使う。
90+3分。これが完全に決まった。
大外、落としに反応した神谷!スピードに乗ってエリア内! あ!コントロール出来ない。神谷倒れてる!GK出てきた!
ボールはどこ?誰かが突っ込んできた。ネットが揺れる。ネットが揺れてる!?
ゴール!!!
ゴール!同点!!!!
わけが分からない!スロー見るまでどうなってるのかわからなかった!!
大南のゴール。この人、前にもとんでもない時間に超大事なゴール決めたよね、大南大好き!!(これまでビルドアップ出来ないとか言ってゴメン💦)
90分+9分。今度はフリーキックの放り込みをハウルが頭で後方へ流す。
先ほどと同じようなカタチ。
今度はクリスだ!打つに決まってる!でも入る位置じゃない💦でも打つに決まってるクリスだもん!あ、やっぱ打った!
——入ってる!!!!!!
左足むりやりーー!グランダーでニアサイド抜けていったーーー!!
逆転!!!
スタンドにもうダッシュのクリス!!雄叫び!!自分もテレビの前で雄叫び!!
決めたのがクリスなのがまた良い!!!よく決めた!!!魂の逆転ゴール!!!
相手はもう立ち上がる気力を失っている。わかる、わかるよ。
それにしても湘南GK谷は痛いミスをした。あの位置クリスは必ず打ってくる。あの角度で打ってくると分かっているならもっとニアを消すべきだった。
股下の警戒はしただろうが、それにしても普通は入らないところ。メンタル的に修正する時間のないまま痛恨の連続失点だったと思う。
まぁ、クリスのスーパープレイには変わりないけどね!!!
後は残り時間。しっかりしめて終わらせよう。
90+12分。細谷、右コーナー付近ボールキープ頼んだ。あ、うまくいかない。取られる。北爪フォロー!
—ってそのままゴールに向いた状態でボールを取り返す!フリーの状態顔上げて、エリア内入ってきたハウルへパス。
流し込んでゴール!!!!
うぉっしゃーーーーーーーーー!!!!
2-4。
そのまま試合終了。
……。
動けない。観ているだけのはずなのに全エネルギーを使った…。整理がつかない。勝利に頭が追いつかない。
誰も諦めなかったレイソル戦士達
試合に勝敗がある以上、
チームとしてここが改善された、とか
この選手のここが良かった とか
捜せばいくらでもあるだろう。
だって今まで負けがこんでいたチームがやっと勝ったのだから。
でも、この試合に関してはそんなことはどうでもいい。
これまで上手くいかない試合内容、マイナスのニュースを多く聞く中で、
それでも選手達は諦めず、勝利のために戦い続けてくれた。
正直、自分は、
この試合で湘南ウェリントンのヘディングが決まった瞬間、
またダメか、と心の中で思ってしまった。
それでは勝てないよ、そう選手達が教えてくれた。
最後まで絶対に諦めない!
選手誰一人諦めなかった結果が勝利に繋がった。
こんなの見せられたら、自分も今シーズンの柏レイソルを諦めるわけにはいかないじゃないか。
俺達はまだ死んでいない!
さぁ、リーグ後半、柏レイソル逆襲のはじまりだ!!
やってやれ!
柏レイソル!!
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