右ハムストリングの肉離れ。
またか。またなのか。
ちばぎんカップで好パフォーマンスを見せていた今井智基のまさかの再離脱。
チームにとって、そして、今期に賭ける今井にとって本当に厳しい現実。
なにより、大事な開幕戦を前に再燃してしまったレイソルの選手層の薄さ……。
そして迎えた開幕戦。
相手はレイソルが昨年完膚なきまでにやられた、ＦＷ豊田陽平ひきいるサガン鳥栖。
そのフィジカルコンタクトをものともしない縦に速い攻撃が、またしてもレイソルに襲い掛かる。
このピンチの場面、チームを救ったのは経験豊富なベテランだった。
鎌田次郎
突然訪れた試合出場。
リーグ初戦という緊張感の中、幾度となく繰り返される空中戦で一歩も引かずに戦い続け、味方が競ったこぼれ球があればいち早く回収する。
鎌田次郎は右サイドバックというポジションにつきながら、攻撃参加を切り捨て、ＤＦラインに居座り、相手の攻撃を跳ね返すことに集中する。
それはまさに、右サイドに現れたセンターバック。
彼のその働きは、しだいにＤＦ陣に安心感を与え、攻撃陣を前へ前へと押し上げる。
特に、鎌田の前でプレイする伊東純也は、苦手な守備から解放され躍動。相手を切り裂く刃となった。
自分が出来ることは何で、自分が出来ないことは何か。
それをチームに還元するにはどうするべきか。
ベテランのあじ。
自分の特徴を活かした、センターバックとして機能する変則サイドバック。
苦しい台所事情の中、昨年もチームのピンチに起用された男が、今年もチームを救ってみせた。
しかし、
続く第２節。
同じく右に入った鎌田は、相対した外国籍選手に振り回されサイドは崩壊。
サイドバックに必要な縦のスピードの欠如、という弱点を露呈してしまう。
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