90分走り負けない運動量。
球際で競り負けないフィジカル。
劣勢になるほど牙をむくメンタル。
サガン鳥栖は戦うチームだ。
2017Jリーグ第1節 サガン鳥栖 vs 柏レイソル
これまでにない補強と準備をしてきたチームに足りなかったのは、ほんのちょっとの運だったのかもしれない。
それは、バーを直撃するシュートだったり、
それは、後手を踏んだドリブル対応の手の位置だったり、
それは、ゴール前で咄嗟に突っ込んだ時の体のぶつけ方だったり。
でもそれらはすべて、その局面で絶対にやられたくないという選手の気持ちの表れであり、実直に戦う選手達だったからこそ起きてしまったことなのではないか。
そう。サガン鳥栖というファイターが集うチームだからこそ起きた出来事。
個で絶対にやられてはならない、どんな状況でも絶対に諦めてはならない、という気概。
それらはあって当然だし、選手には絶対に必要だ。
それでは、いったい何が足りなかったのか。
サガン鳥栖に足りないのは、サッカーの上手さなのではないか。
それは、単に足元の技術、テクニックのことではない。
それは、ピッチ上で起きている、状況を認識して行動する力。
勝負に徹するしたたかさ。
もちろん、「審判によってはあるいは……」ということもあるだろう。
Jリーグ審判の質の向上も絶対に必要だとも思う。
しかし、だからと言って、そこを相手に利用されて勝ち点を落とすようでは話にならない。
ましてや、サッカーに関わる者は全て、それも含めてサッカーだ、と、ある種の理解をしているではないか。
個で勝って、気持ちで勝って、試合に負ける。
そんなのはもうごめんだ。
エース豊田陽平の絶対的な得点力。
飄々と相手を切り裂く鎌田大地のキラーパス。
鎌田の力を最大限に引き出す小野裕二とのホットライン。
攻撃の幅を広げた原川力の存在。
90分間絶えず攻守のクオリティを高め続ける吉田豊。
身体能力と経験値の融合、谷口博之。
最後の砦、権田修一。
ほら見てみろ。ここまで揃っているんだ。
これまでこんなに揃ったことがあっただろうか。
勝利は目の前まで来ているんだ。
それでも、
それでも、もし、うまくいかない事があったら、その時は周りを見渡してみてほしい。
サポーター。
あのスタジアムの雰囲気で、サポーターの力で、そこに存在する全てを味方にしてしまえばいいんだ。
サッカーの上手さ。
サガン鳥栖の勝利の日は近い。
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