<映画> 『バーニングオーシャン』を観て

バーニング・オーシャン・事故発生映画

2010年4月20日、メキシコ湾の石油掘削施設ディープウォーター・ホライゾンで実際に起きた、世界最大級の原油流出事故……。

バーニングオーシャン

 

 

 

 

 

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『 バーニングオーシャン 』

この作品は、その悲劇的な状況を圧倒的なスケールと迫力で描いた実録映画だ。

某映画の有名なセリフで
「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてんだ!!」
というのがあるが、
くしくもこの映画では、親会社のお偉いさんが作業の遅れを取り戻すためその現場に顔を出し、机上の数字を振りかざして無理やり作業を推し進めてしまうところからスタートする。

そう。この事故は、起きるべくして起きた人災なのだ。

当時日本では、事故が起きた原因や作業員らが事故対応に命をかけた姿などはほとんど語られていない。
報道されるのは、海に流出した原油2億1000万ガロンが及ぼす環境汚染のことばかりだった。

この映画では、これまで語られることの無かった石油掘削施設ディープウォーター・ホライゾンでの作業員らの生活・人間関係、そして壮絶な事故現場での状況を、確かな取材と事故現場にいた当人達の強力を得て、見事に再現しているのである。

事実は空想よりも奇なり

この映画の主人公、石油掘削施設のチーフ技師マイク・ウィリアムズ(マーク・ウォールバーグ)は、極限状態の事故現場の中で、誰よりも状況を見極め、それでもなお、誰もが出来ない勇気ある行動で状況の打開を試みる。
それはまさに映画の主人公そのもの。
マイクのその行動を心から称賛するとともに、創作では到底たどり着くことの出来ない、想像をはるかに超えた現実の出来事に、ただただ圧倒させられる。

バーニング・オーシャン・事故発生

 

 

 

 

 

徹底されたリアリティ

監督は、戦場の緊迫感を人間の心理描写から見事に描いた『ローン・サバイバー』のピーター・バーグ。
その手腕は本作でも健在で、現場の人間の信頼関係や組織の在り方からくる軋轢をしっかりとみせながら、起きるべくして起きた事故の発生に繋げ、それを大迫力で再現していく。
しかもその物語に嘘偽りはなく、取材にもとづいた徹底的なリアルを追及していて、その真実から目が離せない。

撮影に使われたセットは、実際に海の上。
8か月かけて本物に限りなく近いディープウォーター・ホライゾンのセットを作り上げた。これによりCGをほとんど使わずリアルな現場を再現。
映画がはじまったら最後。隅から隅までこだわったこの映画のリアルさに、本当に驚かされることだろう。

バーニング・オーシャン・作業員

 

 

 

 

 

 

ディープウォーター・ホライゾンには、社会の縮図が詰まっている。
人間くさく、男くさく、油くさい。

『バーニングオーシャン』

気になった方は是非ご覧になってみてはいかがだろうか。

バーニングオーシャン・ポスター

 

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