こんなにも早く再会するとは思わなかった。
ましてや、敵として目の前に立ちはだかるなんて。
工藤壮人
かつて北嶋秀朗から9番を引き継ぎ、柏レイソルの黄金期を共に築き上げた絶対的存在。
これまで彼のプレイがどれだけチームを救い、彼のゴールがどれだけ勝利へ導いてきたか。レイソルのサポーターなら誰もがわかっているはずだ。
テクニックが特別優れているわけではない。プレイに柔らかさがあるわけでもない。
だが、その刹那の状況判断を武器に、相手のいない場所、届かないところにボールを収め、的確に周りを使い、攻撃の流れを創り出す。
かと思えば、誰よりも早くゴール前の一番危険な位置を嗅ぎ分けてボールを呼び込み、ワンタッチでいとも簡単にネットを揺らす。
味方を使い、味方に使われる。個人の破壊力よりも、流れの中でチームの攻撃力を倍加させるオールラウンドストライカー。
彼はこれまで柏レイソルのために自分の全てを賭けてきてくれた。
時には外部からの行き過ぎた批判もあっただろう。
その全てを彼は一身に受け止めてくれた。
そして何より、彼にはその覚悟があった。
全ては、プレイで答える。
どんな時も諦めず最後まで戦い、何よりも得点にこだわるかたくなな姿勢。
そしていつしか、
北嶋秀朗の9番は、工藤壮人の9番となった。
誰よりも柏レイソルを愛した男。工藤壮人。
その彼が今、敵となって目の前に現れる。
彼はきっと、全力でレイソルを潰しにくるだろう。
そこには、スタートダッシュに失敗したとか、現在勝ち無しでヤバイ順位だとかは関係ない。
プライド。
成長。
リスペクト。
それは、工藤壮人という存在を証明するために。
2017Jリーグ 第5節
サンフレッチェ広島 vs 柏レイソル
エディオンスタジアム広島
4月1日(土)14:00キックオフ
かつて柏レイソルを愛した男が相手となる今節。
レイソルには新たな戦力が加わった。
小さい頃からレイソルに憧れ、レイソルの選手・監督になることを夢見た男。
細貝萌
果たして彼の出番はあるのか。
工藤 vs 細貝
過去と未来が交錯する、絶対に叩かなくてはならない一戦。
勝ち点では測れない確かな未来を手に入れるのは果たして……!
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