第4節が終わって15位とは……。
この試合、まさかこんな結末を迎えるとは……。
「最後に1点奪って勝ち点3!」
スタジアムはまさにそんな雰囲気で押せ押せ状態でした。
90分間、相手を攻め続けていたレイソル。
あとはゴールだけ。そう、ゴールだけ。
そこで起きたひとつのミス。
……いや、ひとつではないですね。
ビルドアップの中で起きた不用意なボールロスト。
相手の勢いを殺せず、中盤で不用意なファール。
審判がプレイを止めたその刹那、レイソル選手が触れたボールがベガルタ選手の前に。
ベガルタ、クイックリスタート!
ペナルティエリア手前に鋭く入ったボール。唯一反応していた輪湖選手も痛恨のタッチミス。
航輔選手との1対1。
思いっきり蹴られたシュート。変化して航輔選手をすり抜けて……。
痛恨の失点。
出来事はほんの一瞬。
アディショナルタイムに入ったあの時間帯、あの瞬間さえ凌いでいれば……。
柏レイソル 0-1 ベガルタ仙台
前半 0-0
後半 0-1(90+1分 奥埜 博亮)
一瞬の隙。
選手達の表情からは、やるせない気持ちが伝わってきます。
サポーターも今日の負けは受け入れがたいはずです。
渡さない主導権
この試合、レイソルは、ディエゴ選手・中川選手の前線から追い掛け回す守備がハマり、セカンドボールを回収。前節川崎戦では出来なかったポゼッションを高めて、終始ゲームを支配することに成功します。
また、ディエゴ選手・クリス選手が良い距離感を保ち相手に脅威を与え続け、そこにリーグ初先発の小池選手と伊東選手が絡んだサイド攻撃を起点に、ベガルタの守るペナルティエリア内へ幾度も侵入、シュートチャンスを創り出します。
そう。この試合、レイソルは今までにないほど相手のゴールに近づき、シュートまで運べていました。
ただ、そこからのディエゴ選手や伊東選手のシュートは、見事にベガルタの守備網に封じられてしまいます。ここは完全にしてやられました。
ベガルタが今シーズンから挑戦している3バック。
守備時は両サイドも含めて5バックになり、ペナルティエリアに侵入したレイソル選手の前に何重もの壁となって立ちはだかります。
エリア内ゴール前の狭い空間に隙間なく現れことごとくシュートブロック。最後の最後で仕事をさせてもらえません。
実はこれが、ベガルタ仙台が導き出したレイソル攻略法でした。
ボールポゼッションが厳しいなら、逆に相手を引き込んで、大きなスペースを利用してカウンターしてやろう。
粘り強いベガルタというクラブだから選択出来る我慢のサッカー。
実際何度か、石原選手を中心としたカウンターをくらい、ピンチを迎えたレイソルでしたが、GK航輔選手の好セーブでなんとかピンチを切り抜けます。
時間が進めば進むほど、守りに徹している方は疲弊し、攻め続けている方は勢いを増す……。
レイソルにとっては、もはや、いつ仕留めるか、といった試合展開となっていました。
そして迎えたアディショナルタイム……。
その後、レイソルが点を取り返すには、あまりにも時間が少なすぎました。
小池 龍太
今節、右サイドバックを務めた小池選手。
期待以上の動きを見せてくれました。
何と言っても、対人が強い。彼特有のクイックネスと無理のきく身のこなしで、相手と相対しても簡単には剥がされません。そして、機を見てのオーバーラップと早い戻りで幾度も伊東選手を助けていました。これで90分戦い続けられるスタミナがあるわけですから、期待せずにはいられません。
何度かパスミスも見られましたが、これは、パスの出すタイミングや場所を見る限り、昨年在籍していたレノファ山口の感覚でパスコースを探しているからだと感じました。サイドバックの位置から一気に前線に通す好パスもありましたから、視野も広く、連携がかみ合ってくればかなりの戦力になってくれるんじゃないでしょうか。
心配なところは、守備時、中に絞った時の空中戦ですかね。しっかりと体はぶつけてはいますが、上背がない分どうしてもミスマッチが起こりやすいので。
レイソルのサッカーは、他のチームよりサイドバックのクロス対応が多く感じるので、右に小池選手、左に輪湖選手となった時のチームとしての戦い方は十分注意が必要ですね。
3連敗
結果として、J開幕後、1勝ののち3連敗。
クラブとしては、2009年以来の3連敗となってしまいました。
運の良いことに、これでリーグはしばらくの中断期間に入ります。
怪我人も戻ってくるだろうし、この中断期間を利用して一気にチーム力を底上げしたいですね。
古賀太陽選手と小池選手の連携アップ。
ハモンロペス選手、ユンソギョン選手、今井智基選手のコンディションアップ。
これで一気に5人も戦力が増えるようなものですから、うまくハマれば十分巻き返しは可能でしょう。
まずはメンタル部分を立て直して、負け癖から昔のような勝ち癖に戻しましょう。
あえて言います。今日のような負けは気にするだけ無駄です。
もちろん悔しいですし、今後同じような過ちを繰り返していたら話になりませんが、本人達が一番分かってるはずです。
「取れた勝ち点3を落とした」と思ってるんでしょう?
それって自分達のサッカーに手応えがあったってことじゃないですか。
それなら貫きましょうよ。
大事なことはブレないこと。
少なくとも柏レイソルのサポーターの自分は、ルヴァンカップと今回の試合で、
確かな手応えを感じてますから。
中断明け、楽しみにしています!
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