今こそ 江坂任 のチャントを歌いたい

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柏サポの辛い朝

2021年6月21日。朝。我らがナンバー10の動向が推測されるニュース。
柏レイソルのサポーターは、本当に、なんとも言えない気持ちになっただろう。
自分も当然そのうちのひとり。

思えば、つい先日土曜日。
Jリーグが再開し、中断期間の上積みを胸に、我らがレイソルのこれからの巻き返しを期待して迎えたアウェイ広島戦。
その変わらない、…いや、より悪くなったであろう試合内容に落胆し、
それでも守備陣の粘りとリーグ戦デビューのGK佐々木選手の獅子奮迅の活躍で、勝ち点を取ることに淡い希望を抱いていた。
……あぁ、なんでこうもサッカーの神様は無情なのか。あんなカタチの失点はないだろう。しかも試合終盤で。
くそぅ、佐々木選手に勝点をプレゼントしたかった…。試合後、ただただそれだけを思った。


その試合。柏の10番の姿はなかった。ベンチにもない。

ピッチ上では、彼がいないことによる弊害があからさまに表れていた。

スッとスペースに下りてきて、パスの受けやすい位置にポジショニングする。受けた後、前を向いてゴールに近い選手を見る。パスを出せないとみるや相手を引き付け、味方の上がる時間を作る。

彼はこれまで、そんな沢山のタスクをひとりで引き受け、攻守に間延びするレイソル戦士を繋ぎ留め、チームとしての体裁を保たせてくれていた。

「パスサッカーがやりたくて」

彼がレイソルに入団した時の言葉。

当時、下平監督が目指したそのサッカーは、確かにパスを主体とした地上戦が中心のサッカーだった。
このサッカーの元で10番を託された彼は、皮肉にも、あまり輝けなかったと思う。
いつも相手DFと近い位置にポジションを取ることを要求され、ボールを長く持つ事や前を向く空間をあまり多くは与えられなかった。
結果、ダイレクトでフリックする、というプレイが散見され、かなり高度な技術と連携が必要なこのプレイは、成功する確率がかなり低かった事を覚えている。
キムボギョンと彼は、この当時、かなり良さを消されていた、と今にして思う。

風向きが変わったのは、ネルシーニョが監督に就任してからだ。

カウンターサッカー。

奪った直後に動き出すオルンガ。そこに引っ張られて空くスペース。
そこが彼の定位置となった。

相手ディフェンスが走る方向と逆方向に下りていくその位置取りは、彼にとって十分過ぎるほどの時間と空間、視野を与えた。

前線が良い状態ならミドルレンジからでもパス・クロス。スペースがあればドリブル。隙があれば突っ掛けてシュート。
成功体験を重ねるにつれ、もともと持っていた技術に、的確で素早い判断力が加わり、
今やJリーグを代表するアタッカーへと変貌を遂げた。

そう、今こそ彼は、パスサッカーに挑戦出来うる能力を身に付けたんじゃないだろうか。

駆け抜けろ 江坂任!

だから、予感はあった。

広島戦でベンチ入りすらしていない状況をみて、もしかしたら、と思った。

柏レイソルのことだしどうせまた怪我したのを表に告げずにいるだけだ、
という淡い期待もあったし、そうであってほしいという願望も当然あった。

そこへ来た、「浦和獲得濃厚」の記事。

まだ分からない。オフィシャルじゃない。飛ばしだろ? 飛ばしであってくれ!

レイソルで戦う姿をまだまだ見ていたい。一緒に高みを目指したい。一緒に戦い続けたい!

もちろん本音はそうだ。


……でもさ、これだけの選手に、今の柏のサッカーをやらせてていいのか…。

せっかく柏のサッカーで成長した選手なんだ、柏のサッカーで潰されるのは正直みたくない。

あの時目指したパスサッカーでの活躍、今ならきっと!

あ、でもね、これだけは言っておく。こんなことは、どの選手にも言えることじゃない。彼にだから言ってあげられる言葉だ。

江坂任という選手は、柏レイソルというクラブにそれだけの事をしてくれた選手だと、自分は思う。

もちろんどうなるかはまだ分からない。
でももし、世の中がこんな状況じゃなくて、前みたいにスタジアムで大声出して応援出来るなら、
相反する二つの気持ちをごちゃ混ぜにして、自分はきっと歌うだろう。

江坂任! 駆け抜けろ! 江坂任!

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