厳しい戦いでした……。
第3節
川崎フロンターレ vs 柏レイソル
2-1。
スコアでは僅差の負けですが、内容は簡単に埋められないような大きな差を感じました。
『止めて蹴る』の差
ゲーム開始直後から柏の選手達は、川崎の前線からのプレッシャーに押し負けるようにズルズルとパスを回す位置を下げてしまいました。その結果、縦にボールを大きく蹴らされ、相手にボールを渡してしまう展開……。
そして川崎の選手達はそこからが上手かった!
特に前半は好き放題。中盤の大島選手を中心に選手達が入れかわり立ちかわりボールを引き出しワンタッチ・ツータッチ。それは本当に綺麗に柏の中央を何度も切り崩してきました。
そう。柏がプレスに行けば行くほど、寄せきる前にその空いたスペースにはたかれるイメージ。
それには少なからず理由もあって……。
川崎の選手達がクリス選手・伊東選手をパス回しでかわすと、そこには武富選手・大谷選手・小林選手の3枚だけ。柏のサイドバックの選手達は他に引き付けられ、中盤は完全に数的不利。
これではいくらボールハントが得意なボランチコンビでも、相手の攻撃を止めることは難しいです……。
もちろん川崎の、そこをしっかりと突く素早く的確な判断、それを可能にするボールタッチは、他のチームを相手にした時には感じない凄みもありましたが……。
というか、一度言わせてください。
川崎の中盤上手すぎぃぃぃっ!!
そりゃぁ、若い選手は多いし、崩されることも多々あったと思います。
しっかし、ここまで簡単に崩され続けたのは久しぶりです。
選手個々の能力の差。『止めて蹴る』の差。
ちょっとしたパスやトラップを見ていても、柏の選手は川崎の選手に比べて安定感を欠いていました。この試合に関して言えば、大きな差を感じてしまいましたね。
まだまだ若い選手達ですから試合を重ねるごとに上手くなっていくとは思いますが、う~ん、難しい問題です。
経験の差
テクニックの差。連携の差。個々の能力の差を色々と感じさせられた試合でしたが、それよりも大きな差を感じたことがあります。
経験の差です。
1失点目のやられ方と時間。
失点直後に与えてしまう2失点目。
2失点目を献上したミス。
ミスを引きづったまま退場まで追い込まれる選手。
若い選手達だから大きな伸びしろはあるでしょうし、もちろんそれに期待もしています。
ただ、この試合ではそれが経験不足という弱点としてチームの足枷となってしまいました。
選手達は完璧じゃなくて当然です。ミスも起こります。
時にはこの試合のように失点に直結してしまうようなミスもあるでしょう。
問題は、そのミスをいかに引きずらずにプレイ出来るかどうかです。
こればかりは試合を重ねて慣れていく……。いろいろな場面に遭遇し、プラスなこともマイナスなことも自分自身で昇華していくしかありません。
この試合での中山選手は、その点で後手を取ってしまったように感じます。
また、そういった選手に対して、気持ちを切り替えさせるアプローチを周りの選手も出来なくてはなりません。これもチームとしての経験値が不足していた、と言えるのかもしれませんね。
そして、この試合の最大の敗因はコレ!
中村憲剛選手の存在!!
昨年のJリーグMVP。当然上手いし怖い選手なのはわかっています!
しかしこの試合で特筆すべきは、この選手が、柏の選手に無かったもの、『経験』を持ち合わせた選手だったということでしょう。
前半の終盤の勝負所でのアシスト。
ゲームの色を一変させてしまうプレイ。
対戦相手まで考慮した周りへの声掛け。
ここぞという時のサポーター煽り。
特にこの試合での、川崎がリードしてからの中村憲剛選手の巧みな時間の使い方は、まさに経験の成せる業でした!
空気を読む……。
自チーム、相手チーム、審判、そしてサポーター。すべてを自分の武器に変えることが出来る本当に素晴らしい選手ですね。完全にしてやられましたよ!!
というわけで、
今節、柏レイソルは見事にやられてしまいましたが、それも良い経験!
これにめげず若い選手達にはどんどん経験豊かな選手の良いところを盗んでほしいですね! 若いうちから試合に出るってそういうことでしょう!
そして、是非とも
「コイツまだ若いくせにベテランみたいなことしやがるな」
と、サッカー玄人を唸らせてくださいよ。期待してますから!
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