<柏レイソル> 残酷なメモリアル ~2017Jリーグ第6節 vs 清水エスパルス~

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Jリーグでプレイする選手の中でも、かなり好きな選手なんですよ。

鄭大世。

ディフェンダーをものともしないゴールに直結したパワフルなプレイスタイル。もちろんそこも好きなんですが、最近では効果的に味方を使うことも増えて、最終的に自分がどうネットを揺らすか、逆算してプレイする狡猾なゴールハンターになりましたよね。

まさにJリーグでも数少ない、勝ち点をもっている選手と言えます。

でも単に、力のあるフォワードだから好き! …というわけではなくて……。
鄭大世選手の一番好きなところは、その素晴らしいメンタリティの部分ですね。

在日という生き様が彼をそうさせたのかわかりませんが、勝負ごとに本気で挑むそのメンタリティ。
それは、あの大久保嘉人選手のような、ヒールになってでも伝えてやるんだ! という精神ではなくて。
とにかく前向きに。実直に。絶対に逃げない。曲がったことは言わない。物怖じしない。
そう、まさにベビーフェイス。ヒーローのようなキャプテンシー。
しかもそれらを自分のプレイと言葉でしっかりと表現できるイケメンっぷり。

こんな選手、他のチームを探してもなかなか見つかりません。
まさに、Jリーグに関わる全ての人にリスペクトされるスポーツ選手の鑑のような存在なんです。

 

そして、J1リーグ第6節。
柏レイソルはその選手にやられました。

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J1第6節 柏レイソル vs 清水エスパルス

4月8日(土)
日立柏サッカー場

柏 0 - 2 清水

0 前半 0
0 後半 2(65分 鄭大世・90分+2分 ミッチェル)

<スターティングメンバー>
GK 中村航輔
DF 小池龍太
DF 中谷進之介
DF 中山雄太
DF 輪湖直樹
MF クリスティアーノ
MF 大谷秀和
MF 中川寛斗
MF 手塚康平
MF 大津祐樹
FW ディエゴ・オリベイラ

 

いやぁ、前半からボールを握って、セカンドボールもしっかり拾えて、
終始レイソルが優勢の展開だったんですよ。
ディフェンスラインからビルドアップもしっかり出来てね。

……って、この展開、前にもあったような……。

そう。4節の仙台戦ですね。
とにかくボールを回せてはいるんですよ。
ただピッチを3分割したとして、最後の1/3の部分、ペナルティエリアに入る前、相手のブロックを崩す攻撃のかたちがほとんど無いんですよね。

唯一スペースを作ったり使ったり出来る武富選手がいないことで、相手守備にギャップを作ることが出来ず、サイドのクリス・大津選手がボールを持っても攻め手がない……。

後ろでビルドアップに時間と人をかけるあまり、いざディエゴ選手に楔のパスが入っても、孤立していて、キープして味方を待つ間に相手の守備陣形も戻ってしまう……。
いや、本当にディエゴ選手は頑張っていますよ!凄いキープ力だし守備はしっかり走ってくれるし。本当に代えのきかない選手ですね!
……でも、うまくいかない……。

そうなんです。
ビルドアップは美しくボールが回るし、相手にブロックされてもセカンドボールは拾えているので優勢に試合を進めているように見えます。

ただ、相手を崩してシュートの場面が極端に少ないんです!!

そうこうしているうちに、ボールを奪われて、わぁ~っと攻められて、相手のワンチャンスで失点……。

それまでは守れていましたよ、中谷選手も中山選手も。鄭大世選手に局面局面で押される場面もありましたが、要所のピンチをしっかり抑えて悪くない出来でした。

ただ、サッカーに絶対という言葉はありません。相手のボールを触ったら予期しないところに飛んでいくこともあります。
そして、それが起きると予想して諦めずに走った選手が相手にはいました。
鄭大世選手。
この試合、誰よりも気持ちがこもったプレイを見せていた男は、決定的な仕事をやってのけます。
レイソル失点……。

これまでボールをキープしていたレイソル。
後半という時間に先制点を与えてしまったことで焦りが生まれ、これまで出来ていたビルドアップもミスが目立つようになり、余計に効果的な攻めが出来なくなってしまいました。
こうなると、大谷選手がJ1・300試合出場のメモリアルゲームだということもプレッシャーとなって選手達を追い込んでいきます。

次第にレイソルがボールを持つ時間が少なくなり、
最終的には、前がかりになったところをカウンターで突かれて万事休す。
0-2の敗戦。
厳しい結果となってしまいました。

選択肢の少ないベンチメンバー

いやぁ、本当同じことの繰り返しですね。
今回も同じテンポの攻撃を続けた結果、相手に付け入る隙を与えたというような展開でした。
この試合では、下平監督のテンポを変えるための選手交代も遅かったかと思います。
これは結果論になってしまいますが、選手達のパスがずれることが多くなった後半、積極的に変化を与えることも必要だったかと感じます。
そのためには今のままでのベンチメンバーでは動きにくいのも確かですが。

<清水戦 ベンチメンバー>
GK 桐畑
DF 鎌田
MF 細貝
MF 栗澤
MF 小林
FW 伊東
FW ドゥドゥ

細貝・栗澤・小林選手と、ボランチを主戦場にする似たタイプの選手が3人もベンチに控えるこのメンバー構成。
これでは選手交代に踏み切れなくて当然です。
ハモン選手やユン選手は怪我をしているとして、他の選手はどうしたのでしょうか。
もちろんコンディションやピッチに立つ能力の問題もあるかと思いますが、
同タイプをベンチに並べるなら、アスリートタイプの今井選手でサイドに変化を与えるとか、190cmの橋口選手をパワープレイ要因で入れておくなど、もっとピッチ上に変化を与えられる選択肢を準備することも必要なのではないでしょうか。

次は、4/12(水)ルヴァンカップ第2節

第1節清水戦、若手を大胆起用して戦ったレイソル。そこで誕生したニューヒーロー手塚選手。
第2節の相手は大宮。
ベンチメンバーを含めて、今後選手層を充実させるためにも、新たなヒーローが出てきてほしい!
今のレイソルの選手達に必要なことは、何と言っても経験であり、自信に違いありませんから!

清水戦の敗戦後の選手達のコメントを見ても、やっていることは間違っていないという言葉が多く出ています。
それならば、まずはルヴァンカップを足がかりにして、自分達のかたちで勝利を掴み、勝ち癖をつけてやりましょう!

やってやれ! 柏レイソル!

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